忙しい朝に見失いがちな「自分」を取り戻すために
慌ただしい朝の支度に追われながら、自分自身を気遣う余裕もないまま一日がスタートしてしまう──そんな経験はありませんか?
時計を見ながら急いで身支度を整え、やるべきことのリストを頭の中で確認しながら家を出る。
そんな毎日を過ごしていると、いつの間にか自分の心や体のサインを見逃してしまいがちです。
今回は、私が毎朝実践している「心を整えるための、小さな習慣」をご紹介します。
特別な時間を作る必要もなく、誰でも簡単に始められる方法ですので、朝の時間に少しでも穏やかさを取り入れたい…と思っている方に、ぜひ読み進めていただけるとうれしいです。
自分を後回しにしていた朝の時間
以前の私は、目覚めた瞬間から「今日の予定」や「やらなければいけないこと」で頭がいっぱいでした。
起床と同時に、まるでスイッチが入ったかのように行動モードに切り替わってしまうのです。
洗顔をして、着替えをして、朝食の準備をして──すべてを効率的にこなすことばかりに意識が向いていました。
そんな忙しい朝の時間において、自分の「気持ち」や「体調」は常に後回しになっていたのです。
しかし、そんな毎日を続けていたある日、ふと疑問が湧いてきました。
「こんなに毎朝慌ただしく、やることに追われている自分ってどうなんだろう?」
そう感じた私は、朝の時間の過ごし方を見直すことにしました。
大切なのは、一日の始まりに「まず、自分の今の状態を観察する時間を持つこと」だと気づいたのです。
歯磨きの1分を”自分時間”に

私が取り入れたのは、起床後すぐの歯磨きを「自分と向き合う時間」に変えることでした。
これまで歯磨きは“やるべきこと”のひとつでしかありませんでしたが、意識を切り替えることで朝の質が変わることに気づきました。
歯磨きをしながら、鏡の中の自分を観察し「今日の体調はどうかな?」、「気分は落ち着いているかな?」と問いかける。
そうすることで、忙しい朝の中にも落ち着きを得ることができたのです。
鏡の中のわたしと対話する

鏡の中の自分を見る
歯を磨くとき、私は必ず鏡に映った自分の顔をじっくりと見るようにしています。
最初は正直なところ、「できればあまり見たくない」という気持ちもありました。
特に疲れているときや、調子が良くないときは、鏡の中の自分を避けたくなったりします。
でも、毎朝続けていると、不思議なことに少しずつ変化が現れてきました。
顔色の変化、むくみの程度、表情のこわばりなど、自分の小さな変化に気づけるようになってきたのです。
自分を批判せず、ただ受け止める
ここで最も大切なのは、鏡に映った自分の姿を批判しないこと。
「疲れて見える」、「元気がなさそう」、「顔色が悪い」と感じても、それを否定したり、自分を責めたりする必要はありません。
ただ「そうなんだね」と、客観的に見て受け止めるだけで十分なのです。
「今日の私は、ちょっと疲れているみたい」
「なんだか気持ちが重たそうな表情をしている」
小さなサインを感じ取って受け止める。
この時間は自分に対する優しさを育む貴重なひとときにもなります。
心の状態を知る
朝の1分間で自分の状態を観察することは、その日一日の過ごし方にも大きな影響を与えます。
疲れているサインを感じ取れば、無理をせずにペースを調整することも可能。
気分が沈んでいることに気づけば、自分を労わる時間を意識的に作ることができます。
逆に、調子が良いときは、その良い状態を大切にしながら一日を過ごせるでしょう。
このように、朝の時間に自分の状態を把握することで、より自分らしく、無理のない一日を送ることができるようになります。
習慣を続けるための工夫

習慣を続けるコツは、歯磨きとセットにしてしまうこと。
朝、「スマホを見る前に洗面台へ」というルールを作れば、無理なく継続でき、デジタル機器による情報の洪水を避けることで、自分の内側に意識を向けやすくなります。
また、歯磨き中に「今日の調子はどうかな?」、「昨日はよく眠れたかな?」など、まるで大切な友人を気遣うように、自分に対して優しい言葉をかけてみましょう。
毎日、儀式のように繰り返すことで自然と続けられる習慣になります。
忙しい現代人にこそ必要な「自分時間」

現代社会では、常に外側の情報や刺激に意識が向きがちです。
SNSの通知、ニュースの更新、メールの確認──私たちは多くの外的要因に注意を奪われて生活しています。
だからこそ、朝の1分間だけでも、内側に意識を向ける時間を持つことが大切。
朝、自分に戻るためのニュートラルなひとときを持つ習慣。
これによって心の安定感を保ちやすくなり、ストレス管理や体調管理にも役立ちます。
一日をすっきりとした気分で始めましょう。
小さな習慣が育む大きな変化
毎朝の歯磨きの1分間を「自分と向き合う時間」にすることで、少しずつ心の整い方が変わってきます。
特別な道具も、長い時間も必要ありません。
明日の朝、鏡を見ながら「今日の私はどうかな?」と問いかけてみてください。
その小さな一歩が、穏やかな時間を見つける始まりになります。
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