秋の夜長にハーブティーで心も体も温まる、やさしい時間を
朝晩の涼しさに秋の深まりを感じる季節になりました。
少し肌寒く感じるひととき、温かいハーブティーの湯気がゆらゆらと立ちのぼる様子を眺めていると、なんだかほっとしませんか。
季節の変わり目は、体調や気分が不安定になりがちな時期でもあります。
そんなとき、一杯のハーブティーがやさしく心と体に寄り添ってくれるような感覚を味わったことがある方も多いのではないでしょうか。
以前の記事「少しずつ”秋の気配”を取り入れる ― 切り替えを楽しむ暮らし方」では、秋を感じる工夫をご紹介しました。
今回はその中から「ハーブティー」に焦点を当て、秋にぴったりのハーブティーの選び方をお届けします。
香りを楽しんだり、温かさを感じたり、ゆっくりと味わう時間そのものがセルフケアになります。
今日は時間帯や気分、好みに合わせて、あなたに合う秋のハーブティーを見つけるヒントをご紹介します。
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秋にハーブティーがぴったりな理由

秋になると、なぜか温かい飲み物が恋しくなりますよね。
それは、気温の変化とともに私たちの体が自然と「温もり」を求めているからかもしれません。
秋の季節と心地よい温もり
朝起きたときや午後のひと休みに、温かいハーブティーを口に含むと、体の内側からじんわりと広がる温もりに安心感を覚えます。
これは単に体を温めるだけでなく、「季節を受け入れる心の準備」にもつながっているのかもしれません。
夏の暑さから解放され、冬の寒さを迎える前の今こそ、ハーブティーのやさしい温もりが心地よく感じられる季節です。
香りで味わう秋の穏やかな時間
ハーブティーの魅力のひとつは、その豊かな香り。
カップから立ちのぼる湯気とともに自然の香りが広がり、心を解きほぐしてくれます。
短い時間でも香りに包まれると、日常の忙しさから少し距離を置き、心を穏やかに整えることができます。
秋に楽しむハーブティーは、香りそのものが「小さな癒やしの時間」になるのです。
秋の夜長に味わう“飲む時間”の価値
ハーブティーを楽しむことは、ただ飲むだけでなく「待つ」、「味わう」ことを大切にする時間でもあります。
お湯を沸かし、茶葉を蒸らし、ゆっくりと口に含む――
現代の忙しい暮らしの中では、お茶を淹れる流れ自体が何か儀式のようなものに感じられるでしょう。
特に秋の夜長には、“ゆっくり味わう習慣”が最適。
急がず、丁寧に、自分のペースで過ごす時間
意識的にやってみることで、日々の慌ただしさから心を解放できます。
秋のハーブティーは、飲み物という以上に「心と体を整える」時間を与えてくれる存在です。
秋におすすめのハーブティー9選 ― 暮らしに寄り添う香りと味わい

秋は気温や日照時間が変化しやすく、心や体もその影響を受けやすい季節です。
そんなときに手軽に取り入れられるのが、香りや味わいを楽しみながら飲めるハーブティー。
ここでは、秋の暮らしに寄り添う9種類のハーブを選びました。
やさしい甘みや落ち着いた香り、季節の実りを感じさせる滋味深い風味など、それぞれに個性があります。
単品で楽しめるものもあれば、ブレンドにすると引き立つものも。
気分やシーンに合わせて選ぶことで、日常の一杯がさらに豊かな時間につながります。
🌿 リンデン ― やさしい甘みで心を落ち着ける
ふんわりとしたやさしい甘みと、ほのかな花の香り。
クセがなく、とても飲みやすいハーブです。
ヨーロッパでは「家庭のお茶」として親しまれてきた歴史があり、幅広い世代に愛されてきました。
穏やかな飲み心地で、日常に取り入れやすいのも魅力です。
単品でも十分楽しめますが、ラベンダーやカモミールとのブレンドにすると、よりやわらかな味わいに。
朝夕の気温差や日々の変化で心が落ち着かないときに、やさしい甘みが安心感を与えてくれます。
秋の夜長にゆったり飲むのにもぴったりです。

🌿 マジョラム ― まろやかな香りで心身をほぐす
やさしい甘さと、ほのかにスパイシーさを感じるまろやかな香り。
口あたりは柔らかく、飲みやすいハーブです。
古代ギリシャ・ローマ時代から「安らぎのハーブ」と呼ばれ、料理にも使われてきました。
穏やかな香りが緊張をやわらげ、リラックス気分を高めてくれます。
単品でも優しい味わいですが、レモンバームやカモミールとブレンドすると、より心地よいハーブティーに。
季節の変わり目に緊張感や疲れを感じやすいとき、心をほぐして穏やかにしてくれるのがマジョラムの魅力。
秋の夜長にリラックスして過ごしたい時間におすすめです。

🌿 バードック(ごぼう) ― 香ばしさで落ち着きをもたらす
焙煎したごぼう特有の香ばしい香りと、やさしい土のような風味。
飲むとほっと落ち着く味わいです。
日本でもなじみの深いごぼうを乾燥・焙煎して作るハーブティー。
自然な香ばしさが独特で、和の雰囲気を楽しめます。
単品で香ばしさを味わうのがおすすめ。
麦茶や玄米茶と合わせると、和風のブレンドティーに。
実りの秋にふさわしい、素朴で香ばしい味わいが季節の落ち着きを演出。
食欲の秋にも合うハーブティーです。

🌿 フェンネル ― 爽やかな甘みで食後をすっきり
ほんのり甘くスパイシーな香りと、すっきりとした後味が特徴。
セリ科特有の爽快感が広がります。
古代から「料理と薬の両方に役立つ植物」として親しまれてきたハーブ。
食後に飲むことで気分をすっきりさせ、口の中をリフレッシュしてくれます。
単品でも飲めますが、ペパーミントやレモンバームとブレンドするとより爽やか。
甘みを感じるため、ハーブティー初心者にも取り入れやすい一杯です。
食欲の秋でつい食べ過ぎたあとに、爽やかに整えてくれるフェンネル。
こってりした食事が増える季節に、軽やかさを添えてくれます。

🌿 ハニーブッシュ ― 甘い香りで心温まるティータイムを
ほんのりとした蜂蜜のような甘い香りと、まろやかな味わい。
渋みが少なく、すっきりと飲みやすいハーブティーです。
南アフリカ原産で、ルイボスと同じくカフェインを含まないため、夜でも安心して楽しめます。
自然な甘さが気持ちをゆるめ、ほっとさせてくれます。
単品でもやさしい甘さが際立ちますが、ルイボスやローズヒップとのブレンドで深みが増します。
涼しくなる季節に、ほんのりとした甘さが温もりを添えてくれるハニーブッシュ。
肌寒い日のティータイムにぴったりです。

🌿 カモミール ― やわらかな花の香りで心をほぐす
リンゴのような甘くやさしい香りと、まろやかな味わい。
ほっと安心できる飲み心地です。
世界中で広く親しまれてきた代表的なハーブティー。
クセがなく、子どもから大人まで楽しめます。
単品でも十分ですが、ミントやレモンバームとのブレンドで爽やかさが加わり、飽きずに楽しめます。
季節の変わり目に心を落ち着けたいときにぴったり。
秋の夜長に読書のお供としても心地よいハーブティーです。

🌿 ラベンダー ― 上品な香りでくつろぎのひとときを
華やかでフローラルな香りが特徴。
少しスパイシーさもあり、深みのある味わいです。
南フランスなどで古くから愛されてきた代表的なハーブ。
香りが印象的で、気分をゆったりと切り替えてくれます。
やや香りが強いため、単品では少量がおすすめ。
カモミールやリンデンとのブレンドでバランスよく楽しめます。
秋の夕暮れや夜に、気分を切り替えて穏やかに過ごしたいときに最適。
季節の移ろいを感じながらゆっくり味わいたい一杯です。

🌿 ローズ ― 華やかな香りで気持ちを豊かに
バラの花びらから生まれる、上品で華やかな香り。
ほんのりとした甘みがあり、気分を明るくしてくれます。
見た目の美しさも楽しめるハーブティー。
ピンク色や赤みがかったお茶は、視覚的にも心を和ませてくれます。
特別な時間を演出するのにぴったりです。
単品でも優雅ですが、ハイビスカスやカモミールと合わせると色合いと香りが一層引き立ちます。
日が短くなり気分が沈みがちな秋に、華やかさで心を明るくしてくれるローズ。
秋のティータイムを彩る存在として取り入れたい一杯です。

🌿 カレンデュラ ― 鮮やかな色で元気を届ける
やさしい草花の香りと、ほのかにスパイシーさを感じる爽やかな味わい。
クセが少なく飲みやすいハーブです。
マリーゴールドの花びらを乾燥させたハーブ。
お茶に浮かぶ鮮やかな黄色やオレンジ色が美しく、目でも楽しめます。
古くから「太陽のハーブ」と呼ばれ、暮らしに元気を添えてきました。
単品でも優しい味ですが、ジャーマンカモミールやリンデンとブレンドすると花のやさしさが重なり、よりまろやかに。
日差しが弱まり落ち着いた季節に、鮮やかな色合いで元気をくれるカレンデュラ。
秋の食卓やティータイムを明るくしてくれる存在です。

朝・午後・夜のハーブティータイムのポイント

🌅 朝 ― すっきりと一日を始めるために
朝は体と心を目覚めさせる大切な時間。
軽やかな香りやすっきりした味わいのハーブティーを選ぶと、一日のリズムが整いやすくなります。
ハーブティーはコーヒーや紅茶よりも穏やかな作用なので、体に負担をかけずに自然な目覚めをサポートしてくれるのが魅力です。
忙しい朝でも取り入れやすいコツ
・前日の晩にティーカップとティーバッグを用意しておくと、朝の一杯がラクになります
・お湯を注いで待つ3分間に、窓の外を眺めたり今日の予定を思い浮かべたりするだけで、小さな余裕が生まれます
☀️ 午後 ― 心を切り替えてひと休み
午後は集中が途切れたり、頭が重く感じやすい時間帯。
気持ちを切り替えてリフレッシュできる香りや、やさしく落ち着ける味わいのハーブティーが活躍します。
短いティータイムを上手に取り入れることで、再び前向きに取り組めるエネルギーが戻ってきます。
ティータイムを特別にする小さな工夫
・クッキーやドライフルーツなど、香りを邪魔しないシンプルなお菓子がおすすめです
・お気に入りのカップを用意すると、それだけでティータイムが特別になります
・薄手の器や手に馴染むカップは、同じハーブティーでもより美味しく感じられます
・小さなお菓子を添えるだけで、午後のひとときが豊かになります
🌙 夜 ― ゆったり落ち着くリラックスタイム
夜は一日の終わりに心と体をゆるめる時間。
静かな香りや、やさしい甘みのあるハーブティーを選べば、自然と気持ちが落ち着きます。
カフェインを避けて、眠りに向かう穏やかな流れをつくるのがおすすめです。
ベッドに入る前にほんの一杯取り入れるだけで、安心感のあるひとときが生まれます。
就寝前のリラックスルーティンとして
・夜のハーブティーは、就寝前のリラックスルーティンに取り入れると効果的です
・テレビやスマホを手放し、静かな空間でゆっくり味わうのがおすすめです
・好きな音楽や読書と合わせれば、一日の疲れを優しく癒してくれます
・自分にとって一番心地よい過ごし方を見つけることで、穏やかな夜を迎えられます
季節の変わり目を心地よく過ごすハーブティーのヒント

季節の変化で心身がゆらぐときに
秋は朝晩の寒暖差や天候の変化で、体調や気持ちがゆらぎやすい時期。
そんなときに温かいハーブティーを一杯飲むことで、心を落ち着けるきっかけになります。
小さなお茶の習慣がそのままセルフケアにつながります。
食後のひとときを心地よく過ごすために
秋は消化がゆるやかになる季節でもあります。
食後に一杯のハーブティーを取り入れると、気分もお腹も軽やかに。
デザートや果物と合わせれば、日常のティータイムがちょっと特別なひとときに変わります。
穏やかな秋を味わう一杯

秋は、夏の暑さから解放され、冬の寒さを迎える前の、心地よいバランスの季節です。
そんな季節の移ろいに寄り添うように、温かいハーブティーは日常にやさしい彩りを添えてくれます。
一日の始まりから終わりまで、好きな香りや味わいのハーブティーを取り入れることで、心も体も自然と落ち着き、豊かな時間を感じられるはずです。
難しく考える必要はありません。
気になる一種類を選んで、まずはお気に入りのカップでゆっくり味わってみましょう。
その小さな一歩から、あなただけのハーブティーライフが広がっていきます。
ふと立ち止まって、自分自身と向き合う穏やかな時間を持てることこそ、秋にハーブティーを楽しむ魅力のひとつ。
ぜひ、あなたの暮らしにやさしい一杯を取り入れてみてください。
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