「ハーブ」と聞くと、どこか特別なものに思えるかもしれません。
おしゃれなカフェで出てくるハーブティー、洋風の料理に添えられた緑の葉っぱ。
なんとなく“自分とは少し遠い世界のもの”に感じていた時期が私にもありました。
でも、あるときふと気づいたのです。
「あ、これもハーブだったんだ」と。
ハーブはふだんの生活の中に実はしっかり根づいていて、私たちは知らず知らずのうちに、その香りや味わいにふれているのかもしれません。
今回は、そんな“身近なハーブ”を見つける視点で、暮らしを見つめてみたいと思います。
スーパーで出会えるハーブたち
ドライハーブは香辛料売り場に
スーパーでまず立ち寄ってみたいのは、香辛料売り場。
ガラス瓶や袋に入った黒コショウ、ローリエ、バジル、ローズマリー、タイム…。
これらはすべて、乾燥させたハーブたちです。
料理の風味づけとして当たり前に使っているけれど、改めて見てみると、その香りにはリラックス効果や消化を助ける作用もあるといわれています。
キッチンにある香辛料たちも、実はちいさなハーブたちだったんですね。
フレッシュハーブは野菜売り場に
香味野菜のコーナーには、和のハーブともいえる食材がたくさん並んでいます。
たとえば、みょうが、しそ、みつば、パクチー、ねぎなど。
強い香りが特徴的なこれらの野菜は、食欲を刺激したり、気分をさっぱりさせたりと、からだにも心にもやさしい存在です。
サラダコーナーでは、ルッコラやイタリアンパセリ、ディルなどの西洋ハーブが見つかることもあります。
どれも、日常の食卓に自然となじむハーブたちです。
ハーブティーはお茶売り場に
お茶売り場では、カモミールやペパーミント、ルイボスなど、さまざまなハーブティーがずらりと並んでいます。
最近は「リラックスブレンド」や「おやすみ前のハーブティー」など、目的や気分に合わせた商品も多く、パッケージを見るだけでも楽しいもの。
好みに合った香りを見つける楽しさもありますし、「どれにしようかな?」と選んでみるだけでもワクワクします。
ガーデニングショップで出会えるハーブたち
種から育ててみる楽しさ
春や初夏になると、園芸コーナーにはハーブの種がたくさん並びます。
バジル、カモミール、イタリアンパセリ、レモンバーム、ディル…。
「育てるのはちょっと難しそう」と思っていたけれど、手のひらサイズの種袋を見ていると、なんとなくやってみたくなるものです。
苗で取り入れる手軽さ
もっと気軽に楽しむなら、苗から始めるのもおすすめ。
小さな鉢に植えられたミントやローズマリーをベランダに置くだけでも、ふと風に漂う香りで気持ちが和らぎます。
お料理にちょっと添えることもできて、見た目にもやさしい彩りを添えてくれます。
寄せ植え鉢で暮らしに取り入れる
最近は、ハーブの寄せ植え鉢も人気があります。
バジルとイタリアンパセリ、ミントの3種がひとつの鉢に入ったセットなど。
見た目がかわいいだけでなく、育てる楽しさも詰まった“ちいさな香りの庭”。
植物のある暮らしの第一歩として、ハーブはとても取り入れやすい存在です。
気づけばもう、ハーブと出会っていたかもしれない
いつものスーパー、いつもの買物の中に、
実はもう、ハーブとの出会いは始まっていたのかもしれません。
香りに癒やされたり、ちょっと気分が切り替わったり。
それだけでも、ハーブの“ちから”はちゃんと働いてくれているのだと思います。
「これもハーブだったんだ」
そんなふうに気づくことから始まる小さな変化は、きっと暮らしの中に穏やかな時間をふやしてくれるはずです。
おわりに
ハーブは特別なものではなく、
ほんの少しだけ、“香り”に意識を向けてみる。
それがハーブとのはじまりになります。
今度スーパーや園芸店に行くとき、
「どんな香りがあるのかな?」と探してみてください。
その瞬間から、きっとちいさなハーブの時間があなたの暮らしにとけこんでいくはずです。